原城の聖マリア観音|クラウドファンディング動画
原城の聖マリア観音|インタビュー動画制作実績
プロジェクト概要
南島原世界遺産市民の会より、彫刻家・親松英治氏が40年をかけて制作した「原城の聖マリア観音」の映像制作を依頼されました。 島原の乱の慰霊のために制作された10mの彫刻を、より多くの方に知っていただくための募金活動用映像として、 16mmフィルムとREDカメラを用いて制作。親松氏の深い想いと作品の魂を映像で表現することに成功した事例をご紹介いたします。
クライアントの課題
課題
40年という長い年月をかけて制作された彫刻の価値と意義を、短い映像で効果的に伝える必要がありました。 特に以下の点が課題として挙げられました:
- 40年間の深い想いを短時間で伝えること
- 宗教的な意義と芸術的な価値の両立
- 募金活動に結びつく共感の獲得
制作準備について
入念な準備プロセス
限られた時間で40年の歳月を表現するため、以下の3つの観点から徹底的な準備を行いました:
歴史的背景の深い理解
島原の乱に関する詳細な文献調査を実施。1637年の歴史的背景から現代への影響までを把握しました。キリシタンの歴史や当時の社会状況についての理解を深め、作品の持つ歴史的・文化的意義を踏まえ、映像表現の方向性を決定しました。
制作環境の綿密な調査
工房や撮影場所の事前ロケハンを複数回実施。特にマリア観音像の置かれた工房内の光の時間による変化を観察し、最適な撮影時間帯を特定。また、親松氏の日常動線を丹念に追うことで、自然な表情や仕草を捉えられるカメラポジションを検討しました。
技術的な実験とテスト
16mmフィルムの特性を活かすため、事前に様々な光量条件下でのテスト撮影を実施。特に工房内の彫刻の質感を捉えるためのライティングテストや、自転車シーンでの移動撮影の動線確認など、本番に向けた技術的な検証を行いました。
映像に込めた5つのキーワード
このプロジェクトでは、親松英治氏の40年にわたる想いを以下の5つのキーワードを軸に映像化しました。
信念
40年間という長い期間をかけて一つの作品に向き合い続けた強い意志。金銭や名声のためではなく、人生をかけた仕事としての彫刻制作への揺るぎない決意。
慰霊
島原の乱で亡くなった方々への追悼の想い。キリスト教徒たちや幕府方の死者を弔うための慰霊碑としての深い意味を持つ作品制作。
祈り
毎日神様に祈りを捧げる姿勢。ヨハネパウロ2世からの手紙による精神的支えと、深い信仰心に基づく制作活動の継続。
継続
生活のための仕事をしながらの制作。困難に直面しても諦めない姿勢と、40年間かけて10mの大きさまで作り上げた根気強さ。
希望
南島原市への移設を目指す強い願い。市民の会による募金活動への期待と、作品を望まれる場所へ送り出したいという切実な思い。
映像表現アプローチ
5つのキーワードに対応する映像表現手法を以下のように設計し、40年にわたる想いを90秒に凝縮しました:
信念と祈りの表現
インタビューを音声のみで使用することで、言葉そのものの力を最大限に活かしました。特に「生涯をかけて取り組む作品を」という強い意志と、毎日の祈りの言葉を、静謐な映像と組み合わせることで、深い精神性を表現しています。
継続を象徴する時間表現
16mmフィルムの質感により、日常で見慣れている映像とは異なることを強調しました。朝の自転車シーン、工房での制作風景など、日々続けられてきた営みを、アナログフィルムならではの柔らかな質感で捉えています。
慰霊を象徴する光の演出
工房内でのマリア観音像の撮影では、自然光と人工光を組み合わせた光の演出にこだわりました。特に彫像に当たる光の量に比べ、それに向き合う親松氏の光量を意図的に下げることで、慰霊という崇高な目的を視覚的に表現。神聖な雰囲気を醸成しています。
希望を表現する場面構成
作品制作、日常生活、教会でのシーンを織り交ぜながら、未来への願いを表現。特にヨハネパウロ2世からの手紙のシーンと、完成したマリア観音像の全景を組み合わせることで、長年の想いが結実する希望を示唆しています。
プロジェクトの成果
完成した映像は高い評価をいただき、募金活動でも効果を発揮しています。
- 視聴者からの深い共感の獲得
- メディアでの取り上げ増加
- 募金活動の認知度向上
2024年9月10日時点での支援金総額:63,300,000円
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